あいつ、ソウルライク辞めるってよ
先日、なんという巡り合わせか、Rhapsodyリリースから約3か月かな?
「WORLD OF THE SOUL」というダークソウルとかデモンズソウル、いわゆるソウルライクなワールドが公開された。このワールドは以前からPVもちょくちょく視界に入ったし、バチャマガが記事として取り上げたこともあり、瞬く間に知名度をあげていき、VRChatのワールドセーブ機能が実装されたことをトリガーに、ついに公開に踏み切ったようで。
私も以前から結構楽しみにしていたのね。公開されたら見に行ってみよう、と誘われていたの。(まぁ今その人は行方不明なんだけどね)
ひとまずひとりで乗り込んでみるか、と足を踏み入れてみたんだけど、いろいろと参考になったし、今後のRhapsody、ひいては私のワールド制作の方向性のようなものを再認識、考えさせられることとなった。
まず大前提として「WORLD OF THE SOUL」は、あきらかにRhapsodyとは異なるものだった。比較するものではないと思う。
ダークソウルとニーアオートマタを比較するような違和感。それとやや似ていると思う。
「WORLD OF THE SOUL」は確かにダークソウル感をプンプンと匂わせてくる作風になっていて、そこに若干のカジュアル感を加えてうまくVRChatに落とし込んだ、という創りになっていると思う。とはいえいろいろ問題点や難を感じずにはいられなかったのは確かなんだけど、それでもすごくうまく出来ていると思ったの。
武器強化システムやステータスの割り振り、死に戻り、敵の挙動まで、ソウルライクというには必要な要素が確かにしっかり実装されていた。いささか堅牢過ぎるくらいに。
ビジュアル面の見劣りや敵の単調な動き、プレイヤーの移動のもっさり感。盾を貫通してくる敵の攻撃、スタミナがあるにも関わらずなかなか当たらない攻撃。延々と回復しないスタミナ。ゆえにダッシュ不能状態が続く。UIを開こうとするとつい使ってしまう回復アイテムなどなど・・・いろいろ思うところはあったけど、おそらく慣れの部分もあるだろうし、このやりにくささえダークソウル感を演出しているようにも思えたので、プレイヤーの適応力次第で十分にカバーできる部分なのかなと。
いわゆる拠点にベニスマンが座っていたのにはつい笑ってしまったんだけど、まぁ・・・私ならやらないタイプのギャグかなって感じですw
冒頭でVRChatのワールドのローディング演出が入ったりしたのもそうなんだけど、そういうカジュアル感の演出、世界観設定があることで、プレイヤーの参入障壁の高さをうまく下げているようにも思える。それもあってのベニスマンなんでしょうけどね。
とかく拠点はもうまさしくクロノトリガーのそれ。めっちゃ意識してるだろうなぁって。
ある程度プレイしてみて、とかく何故か当たらない攻撃、盾を貫通してくる敵の攻撃に「なんでだよ!」と思い始めたところでいったん退出。
比較するものではないなとこの時点で思ってはいたんだけど、RhapsodyでデバッグしたいこともあったのでそのままRhapsodyへ。ワールドに入ってスティックを倒した時点ですぐに気づいたの。移動速度がとにかく速い!!武器類を装備して手に持つと、なんて自由で扱いやすい剣、銃だろう!!試しにボスと戦ってみると、回避モーションを加えた超軽快な身のこなしで敵の背後をとって銃を撃ち込み剣で気持ちよく斬りつける。
「あぁ、この世界でなら私は最強になれるかもしれない!」そう酔いしれてしまいそうになる操作感がそこにはあったの。
確信した。Rhapsodyはいわゆる「ソウルライク」ではないなと。システムこそ確かにソウルライクを踏襲してはいるものの、実際の操作感はダークソウルなどのもっさり感はまるでなく、ニーアオートマタやステラーブレイドのようなスピーディ系の爽快感を追求したものであるということ。事実、ニーアオートマタをソウルライクと表現する人は少ないように思う。シンプルにいえばアクションRPGじゃないかしら。
エルデンリング的な方向性でRhapsodyを作ってきたつもりでいたんだけど、「WORLD OF THE SOUL」を遊んでみて、そしてRhapsodyに戻ってきたときに、自分の作っていたものはいつのまにか異なる方向にシフトチェンジしていたんだなと気づかされた。
確かに、Rhapsody制作時にはステラーブレイドをめちゃくちゃプレイしていたけれど、エルデンリングは景色の参考にと起動した程度だった。
「やめよう、ソウルライク」
そう思って、さっそくウェブサイトやワールドのタグから「ソウルライク」というキーワードを排除しました。
それに、1ワールドクリエイターがソウルライクというキーワードを背負うのは荷が重すぎる。私はゲームブランドではない。いまやUnityを立ち上げているのは私だけになってしまった。こんな状態でソウルライクと掲げてワールドを公開し続け、SNSで「ソウルライクのあのワールド」と呼ばれ、「全然ソウルライクじゃない」「未完成、バグだらけ、面倒、認めない」などなど言われ続けるのはあまりに耐え難いのだ。
ソウルライクのゲームは好きだけど、自分でソウルライクという大きな看板を背負うのは辞めよう。そう心に決めた一夜だったのでした。
「WORLD OF THE SOUL」はワールドクリエイターとしての私にいろいろなことを気づかせてくれたし、その堅牢なゲームシステム、構築には脱帽せざるをえない。おそらく進行不能になるような、そう目立った致命的な不具合はなかなか見つけられないと思う。
もうちょっとビジュアル面は底上げしてほしい感じは正直あるけれど、より多くの人に遊んでもらうための良い匙加減だとも思える。多くの人が今このワールドに夢中になっているのもおおいに頷けるし、逆にRhapsodyがそこまで盛り上がらない理由もなんとなくだけどわかる。比較するものではないと思いながらも、でもあきらかに私が「WORLD OF THE SOUL」に負けている部分があるのは確かだなと感じずにはいられない。
でも、Rhapsodyはこのまま私の思うがままに創っていこうと思ってる。とことん中二病的に、ダークファンタジーで、謎解きもあり、アクションもあり、エモーショナルな物語もあり。
このRhapsodyという世界は、今も渡り鳥の到来を待っている。
「WORLD OF THE SOUL」でひとしきり遊んでからでいい。Rhapsodyという世界の存在をぜひあらためて見つめてもらいたい。あらためてこの世界の景色を見てほしい。
この世界でならきっと、あなたも最強になれるはず、だよ。